紅白金丹 純天然抗酸化剤

リコピンの概論

2010-02-12

リコピン(lycopene)は、赤色ではなく、紫色の色素です(図1左上、リコピンの結晶)。 

 

リコピンの分子式はC40H56で、構造式は図1右上の通りです。リコピンを含む野菜、果物には、トマト、スイカ、ナス、パパイヤ、レッドグアバ、サクランボ、プラム、ピーマンなどがあります。リコピンは構造上、カロテノイド(carotenoid)に属し、現在地球上ではすでに600種類以上のカロテノイドが発見されており、色彩は様々で、黄色、オレンジ、赤や紫などがあります。フルーツ、野菜が成熟した時の主要色素であり、色彩は鮮やかで人の目をひきつけます。しかしながら、野菜とフルーツが成熟時、なぜ大量にカロテノイドを合成するのかは、謎のままとなっています。

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人類は早期からリコピンのカロテノイドへの研究を開始していました。人類とリコピンの出会いは1873年で、Hartsenが初めてベリーフルーツから結晶状の深赤の色素を分離しました。しかし、純度は非常に低いものでした(Hartsen; Chem. Centr.,1873; 204)

2年後の1875年、Millardetがトマトからリコピンを含む粗品を抽出しました(Millardet; Bull. Soc. Sci. Nancy, 1875; 2: 21)。しかしながら、カロテノイドとの区別はできませんでした。
1903年になってようやく、Schunckがトマトから分離したリコピンとニンジンから分離したカロテノイドの吸収スペクトルが異なることを発見し、「lycopene(リコピン)」と命名し、リコピンの名称が確立されました(Schunck, C.A. Proc. Royal Soc. London, 1903; 72: 165)

1910年、WillstallerEscherがリコピンの研究において、初めてその分子式をC40H56、分子量を536.85と確定しました(Willstatter, R. & Escher, H.H.Z.; Physiol. Chem., 191064: 47)。

1930年、Karrerらはリコピンの一種の化学構造式に11の共役二重結合と2つの非共役二重結合を含む非環状平面構造の不飽和脂肪炭化水素が含まれ、環状化を通じてβ-カロチンを形成し、リコピンはβ-カロチンの前駆体であることが暗示されました。

 

Karrer, P,et al.; Pflanzenfarbstoffe. XXV. Leber die Konstitution des Lycopins und Carotins. Acta, 1930; 14: 154-162. 

これで、人類のリコピンの化学構造への認識における基礎が完成されました。しかし、その生物学的機能の認識については、更に長い道のりを歩まなければなりませんでした。1980年代に入り、人々は徐々にリコピンが抗腫瘍作用を持ち、心血管病を予防するといった多彩な保健機能を有することに注意を払い始めました。

例えば、1985年、ハーバード大学医学院の研究者が、日常生活におけるカロテノイドを多く含むフルーツや野菜の摂取量と腫瘍の発病率が反比例することを発見しました。

Colditz GA, et al. Increased green and yellow vegetables intake and lowered cancer death in an elderly population. Am.J. Clin. Nutr. 198541: 32-36. 
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/41/1/32.pdf

続いて1996年、血漿中のリコピン含量の高低と老人の自己制御力の関係が報道され、リコピンが老人の機能障害疾患予防に効果的であることが認識されました。

Snowdon D AGross M DButler S MAntioxidants and reduced functional capacity in the elderlyfindings from the nun study[J]J Gerontol Ser A Biol Sci Med Sci199651:10-16.
http://biomed.gerontologyjournals.org/cgi/content/abstract/51/1/M10 

多くの証拠が、リコピンの優れた抗心血管疾患の効能は、その強力な抗酸化剤作用と関係があるらしいことを証明しています。

Rao AV. Lycopene, tomatoes, and the prevention of coronary heart disease. Exp Biol Med 2002227 (10): 908-913.
http://www.ebmonline.org/cgi/reprint/ 227/10/908

Heber D & Lu QY. Overview of mechanisms of action of lycopene. Exp Biol Med 2002227 (10): 920-923. 
http://www.ebmonline.org/cgi/reprint/227/10/920

自然に存在するリコピンは全トランス型(図1右)です。しかし、高温下で蒸したり、煮たり、揚げたりすると、リコピンは全トランス型構造からシス型に転換されます。ドライトマトやドライトマトソースも一部変わっています。興味深いのは、摂取時には全トランス型のリコピンの構造が、人体に入ると大部分が各種のシス型構造に転換される点です。よって、人体に入った時、どのような化学構造であれば重要な作用を発揮するかはまだ知られていません。

Boileau TW, et al. Bioavailability of alltrans and cisisomers of lycopene. Exp Biol Med 2002; 227(10): 914–919.
http://www.ebmonline.org/cgi/reprint/227/10/914
 

しかし、リコピンが発揮する抗腫瘍、心血管疾患降下といった重要な作用を、単純にその抗酸化作用によって全てを解釈することはまず不可能です。したがって最近、多くの新理論が提出されています。中では、リコピンの代謝産物(lycopenoids)が、ビタミンAといった物質と似た作用で、多くの重要な遺伝子のパフォーマンスを調整し、これにより巨大な生物学的機能が発揮されると言う理論が注目されています(図2)。

図2

       u Lindshield BL,et al.Lycopenoids:are lycopene metabolites bioactive?Arch Biochem Biophys 2007;458(2):136-40.

                http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17067545

       u  Mein JR, Lian F, Wang XD. Biological activity of lycopene metabolites: implications for cancer prevention. Nutr Rev 2008;669(12):667-83

                   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19019036

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